【インタビュー】 THEATRE E9 KYOTO 支配人・蔭山陽太
都市の中の巣
【インタビュー】 THEATRE E9 KYOTO 支配人・蔭山陽太
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【プロジェクト】小林・落合研究室
地域に根ざす設計技術・地域に根ざす人間居住
教授 小林広英
准教授 落合知帆
助教 宮地茉莉
教授 小林広英
准教授 落合知帆
助教 宮地茉莉
教授 小林広英
准教授 落合知帆
助教 宮地茉莉
教授 小林広英
准教授 落合知帆
助教 宮地茉莉
教授 小林広英
准教授 落合知帆
助教 宮地茉莉
教授 小林広英
准教授 落合知帆
助教 宮地茉莉
【ESSAY】 田路研究室 修士1回生 幸地 良篤
「〈動き〉生命〈編み物〉脳〈知識〉」の保存と獲得
~〈編み物〉の かたち / 様相 から得られたこととは ~
Preservation and Acquisition of "<Movement> Life <Knitting> Brain <Knowledge>"
~ What did you learn from form/aspect of <knitting>?~
― 導入「建築に何が可能か」
建築に何が可能か、建築に何が不可能なのか、我々は常にその「境界」を探っている。その一部として、この文章を位置付けたい。我々の目指す方向は常に多様であり、「建築に何が可能か」という問いはその道標である。
この文章は平田晃久先生による建築設計実習の延長である。その成果の編雲(以下〈編み物〉)は一体何だったのか、その様相は何を示していたのか、その更なる解明を目指すプロセスをそのまま書くことにする。文字数に限りがあるため、議論が浅はかに見えてしまうことは予めご了承いただきたい。
課題の趣旨は、建築が〈折りたためる〉こと〈動く〉こと、それにより生まれる建築の更なる豊かさは何なのか探ることであった。建築の新しい意味/新しいかたちを求めて手を動かしていた。
― 序
前提

編雲
原広司は以下のように語る。「二十一世紀の新しい建築は、次の二つの表現傾向をもつようになる。しかし、少なくとも二十一世紀の前半には具現化されないであろう。一つは「自然現象」との近親性をもつ場の理論が優越することによって。」第二は、建築が物語性、フィクショナリティをもつことによって。これらを「おぼろげではあるが、当然のことなので確かな面もあるもう一つの手がかり」として紹介している。この言葉を頭の片隅に置きながら〈編み物〉について考えてみたい。

建築の〈動き〉への関心は、新しい話ではない。第一部では、はじめに本提案〈編み物〉を紹介し、建築の〈動き〉の変遷を概観した上でキーワードを頼りに〈編み物〉の歴史的位置付けについて考えてみたい。
― 第一部「歴史」
〈編み物〉と〈動き〉の変遷
第一章 編み物と〈編み物〉
編み物は、古来より親しまれている文化の1つである。1本の糸から構成される編み物のかたち・構造には、未だ理解しきれない世界があるように感じる。そんな編み物から建築の新しいかたちを考えた。そこに生まれる風景/様相は、空に浮かぶ雲のように感じられる不思議な美しさがあった。
〈編み物〉の建築的構造は、組積造とよく似ている。編むとはひと目(め)結ぶことの繰り返しであり、そのひと目はレンガ1つとほぼ同じ役割を果たしている。組積造は鉛直方向に重なることで荷重を下へ伝えている一方で、〈編み物〉は必ずしも鉛直方向に重なっているわけではない。ところが〈編み物〉はひと目ひと目が繋がり合いお互いを支えているため自由なかたちをとることができる。この〈編み物〉ならではの構造を「ゆらめく組積造」と呼ぶことにする。
第二章 〈動き〉の変遷
ピラミッドをはじめとして〈固定した〉強さを保持する建築が散見される一方、建築は〈動き〉を取り入れることに挑戦していた。その始まりはビザンツやバロックと言われており、ゴシック建築のリズムも〈動き〉として取り上げられる。近代から〈動き〉は建築家によって意識され、それが顕著にあらわれたのはアール・ヌーヴォーである。当時、植物のような曲線に興味があったのは確かだが、彼らの興味は曲線を可能にする鉄にあった。その造形を〈動き〉の実現として捉えた。
未来派のサン・テリアは〈動き〉を本質的に捉えることに成功した。彼は「都市が〈動き〉を最大限に許容する環境でなければならない」と明言し、多数のスケッチを残した。そのスケッチはまさに現代都市を写しており、特に高速道路/エレベーター/排気塔などは概ね一致している。まさに環境を形成する都市が、その性格である様々な〈動き/エネルギー〉の投影であることが証明された。
表現主義のメンデルゾーンらの活躍も見てとれる。1920年代において当時の秩序ある都市/建築環境に腐心し、ダイナミックなバランスを想定していた。彼の作品は流動しようとしている物質が建築で表現されており、建築の理論が物質構成の理論まで降下した優れた例である。
同時期から、芸術家集団による〈動き/時間〉への希求が始まる。キュービズムのような観測者の位置の移動に伴う見えの変化としての「時間」があり、これは建築の外観を決める因子にとれる。しかし「新しい建築は空間の内外が交換することから、古典から区別される」と明言されており、むしろ内部からの視点が強化された。この理論を建築として実現したのはフランクロイド・ライトである。
空間の連続性から人間の流動性を生み、壁を〈動き〉の方向指示機のように扱うことで建築内の生活=機能を〈動き〉に基づいて決定するという図式をつくりあげた。これは建築に〈動き〉を取り入れた一つの到達点である。しかし、それらを都市に置き換えたとき、その完成された秩序は逆に発展/成長の障害となってしまう可能性があった。つまり未来の〈動き〉を許容するような計画が必要であると気づいた。そこに現れたのはチームⅩである。彼らが強調したのは都市における〈動き〉と成長と変化であり、日本におけるメタボリズムは都市の新陳代謝を生活のなかで捉えようとした。
〈編み物〉はこれらのどこに位置付けることができるのだろうか。
第三章 〈編み物〉の歴史的位置と射程
概観した〈動き〉の変遷はいろいろなキーワードを与えてくれた。それは、エネルギーの流れの表象、建築理論が物質構成の理論へ降下、時間の表象、再生可能性など多数ある。このキーワードから〈編み物〉を見たとき、何を得られるか検証してみたい。
はじめに〈編み物〉のかたちは力学的エネルギーの流れを表象している。ひと目同士の関係が複雑なエネルギーの関係を保持しながら、全体のかたちとして表象している。自ら動くことはないが、その仕組みとして想定外な/多角的な/時間変化するかたちになり得る。さらにその仕組みはどこも同じ、一つの結び目の連続であり、元はたった1本の糸である。そこから建築理論と物質構成理論の繋がり、容易な再生可能性、未来の時点での変更可能性は大いに見込める。つまり〈編み物〉は〈動き〉の変遷の延長である可能性が見えてきた。その一方で、この美しさ、仕組みの美しさはどこか新しい世界、生命の世界と繋がる更なる豊かさを持っているのではないかと感じてしまう。
― 第二部 現在
〈編み物〉の生きている〈はたらき〉
第二部では〈動き〉の変遷の延長として、平田先生の視点からから〈編み物〉の位置付けについて考える。平田先生の視点=生命論的建築は、〈かたち〉と〈はたらき〉に関して2つの点で特徴的である。第一に、ある本性=自然を照らし出すようなかたちの生成原理を採用し、それを反映する外形をもつという点。第二に、かたちが偶発的に獲得するはたらきをフィードバックするようなアプローチにおいてである。
第四章 〈壊れる〉ことを内包する〈編み物〉
〈編み物〉の更なる特徴を見出す方法として、原広司の挙げる自然現象を参照し検討した。そこで今回は人間内部の自然現象「脳の構造」に似ている部分があると分かってきた。
私たちの脳は分野をもちながら、どこも同じ仕組みでできている。仮に脳の一部に損傷が見られたとき、失われた機能を別の場所で補うことができる。これと似た性質が〈編み物〉にも見られる。〈編み物〉における力学的エネルギーの表象とは、一部が欠損してもそれを補うかたちに変形するだけで、それ自体全てが崩壊するとは限らない。言い変えると〈編み物〉(≒脳)は〈壊れる〉ことを内包している。まずこの点を生きている〈はたらき〉として捉えてみる。遠回りに説明したが、実際には脳に限らず私たちの〈生きている〉ことのなかには〈壊れる〉という過程が常に存在している。しかし、脳の構成は一枚の細胞のシート(≒編み物)を定められた空間に押し込む様子と非常に似ているらしい。そこにも〈編み物〉の更なる可能性を感じ、今回は脳の構造を参考にした。
第五章 外環境因子分解の表象(≒負のエントロピーを食べる?)
〈編み物〉の様相には、不思議な美しさとしか言えない部分が多くあった。そこについて少々強引に分析してみたい。そこで〈編み物〉の外環境を分解し、より微細かつ突き放した視点で捉えてみる。「光」は編み物によって分解され、地面に陰影を映している。その陰影は〈編み物〉の多様な疎密から生まれており、その多様さは実は一定のリズム、1本の糸から構成される階層構造のようなリズムをもつ。「風」も同様に〈編み物〉の疎密によって分解され、流れる。風の受け止め方も同様であり、風力も段階を踏んで外形へ変換/分解している。「重力」はかたちに影響し、力学的エネルギーの分解を表象している。
今回は外環境の細分化を生物的分解と同義としているが、階層構造のような生物的原理に触れると、不思議な美しさとしか言い表せなくなるのかもしれない。その場合、逆に不思議な美しさを感じる様相から、新たな生きている〈はたらき〉を見出すこともできるのかもしれない。これら上記の探求自体に可能性があるとして、今後に託したい。
「 古い脳 と 新しい脳 」という視点
― 第三部 未来
第三部では〈壊れる〉ことを内包する可能性を、古い脳と新しい脳という視点から極端に分析する。生物の種はたいてい、新しいものが出現すると古いものは消えるが人間の脳はそれと違い古い脳の上に新しい脳が加わることによって進化している。近代建築を極端に捉えたとき、その方向性は古い脳に支配された結果と捉えることができるかもしれない。未来に向けて古い脳的思考からの奪還が必要であり、同時に新しい脳的思考の展望を見ていきたい。
第六章 古い脳 と 近代建築
古い脳は私たちの脳の約30%を占めており、基礎身体機能/行動/感情をコントロールする。そうした行動と感情の中には、私たちが攻撃的/暴力的/強欲にするものや人を騙したりするものもある。程度の差はあれ、誰もがこうした傾向をもつ。私たちの脳に未だ古い脳がある理由は分かりやすい。私たちがどれだけ賢くても、呼吸/飲食/遺伝子の増殖/反射反応は生存にとって不可欠である。このように人間の脳には、不可避な思考領域がある。これを建築史にトレースしたとき、何か新しい点が得られるかもしれない。その古い脳的思考≒近代建築的思考について、抽象的には原広司の〈均質空間論〉、具体的には山本理顕の〈性現象〉、西山夘三の〈これからの住まい〉を頼りに考えてみたい。
原広司は近代建築における〈均質空間〉の仮定条件として五つの軸(a)目的建築論(b)無装飾建築論(c)機械の美学-機能論(d)構成主義(e)工業生産論を挙げている。その五つの軸において以下の箇所(a)建築の目的は全て把握できると言う点、(b)文化の発展と共に装飾は消えていき、土着性あるいは意味の剥奪が生まれるという点、(c)機械のように無駄がなく要素が的確に結合した建築は美しいという美学上の保証と、そのように建築を仕上げることが可能という点、(d)特定の環境状態に左右されることはないという点、(e)ひどい画一化の現象を起こすという点には、近代建築における古い脳的思考の一端を見ることができる。
山本理顕は近代住宅建築において〈性現象/性生活〉を繰り返し挙げており、西山夘三の以下の言葉を挙げている。「健全な性教育のシステムをつくりだすことに我々は臆病であってはならない。性生活につきまとう制御と儀礼とを身についたものにするために、そうした家庭生活のできる住居が欲しいのである。」西山夘三はそれを「食寝分離」、「隔離就寝」と呼び、平面計画/動線計画の工夫で実現しようとした。この点にも近代建築における古い脳的思考の一端を見ることができる。
第七章 新しい脳 と 二十一世紀建築
新しい脳は私たちの脳の約70%を占めており、新皮質と呼ばれている。この新皮質は世界のモデル=世界と知識の相互作用を体系化することを学習し、このモデルこそが私たちが知的である所以だ。当然、その知能の進化も遺伝子を増殖させるのに役立つからである。しかし近年、古い脳と新しい脳の力関係は変わり始めている。これから大切なのは、新しい脳が主導権を握ることである。それを可能にする視点として以下2つが挙げられており、それらを建築に対応させて考えてみたい。
1:知識を保存する(≒持続可能性/環境時代)
世界では知識を永遠に保存するため、衛星利用を計画している。建築に同様のことが可能かと言われれば、確実に不可能であろう。宇宙建築を想定しても、多くのことを飛ばしすぎている。その点、現代のSDGsを始めとする環境時代、建築の持続可能性を考えることは知識の保存の一部として考えることができる。そしてその延長として〈壊れる〉ことを内包することを位置付けることができるのではないだろうか。〈壊れる〉ことを本当の意味で内包したとき、その保存期間は特段に長くなる。さらに、保存という視点からいろいろな構成を見直したとき、階層構造のような単純な構成から限りなく複雑なものを構成できることの価値を再認識できる。「言語」のような限りなく自然の創造物が階層構造をもつことからも同様のことが言える。
2:新しい知識を獲得する(≒他の生成原理から建築を考える)
〈編み物〉のように、他の視点から建築を考えることは新しい論点を生む可能性がある。それは原広司のいう「自然現象」のオーロラ/蜃気楼/虹/星雲/霞や人間の内部器官など多数ある。これらの生成原理から建築を考え、そのかたちが生む〈はたらき〉をフィードバックするアプローチをとる。それらにより新しい知識を獲得できる。また、階層構造に限らずその根幹をなす原理は生まれてきている。例えば「1000の脳」理論のようにここでは説明しきれない新しい可能性が次々にあらわれている。その現状に目を向けること自体が最も大切なことかもしれない。これらの古い脳的思考から新しい脳的思考を展開しようとする試みは、進化の軌道から離脱しつつ歴史と連続であるとまとめられる。いずれにしても、現代の地球環境時代は知識の保存に一致する部分があり、現代にもその一端を見ることができる。
「知的生命体はここにいた」
― 終わりに
振り返ると、ピラミッドのように一万年前の知的生命体の存在を教えてくれるものがある。そのような構造を模倣したとき、その功績を未来へ残せることは分かってきた。そこに対し一段階違う解答を考えることは、何か新しい可能性を示してくれるかもしれない。〈編み物〉がそのヒントとなることを願って。

【参考文献】
原広司『建築に何が可能か』学芸書林,1965
原広司『空間〈機能から様相へ〉』岩波書店,1987
原広司『二十一世紀の建築について,短文「これからどうなるの」』岩波書店,1983
平田晃久『生命論的建築の研究 —〈からまりしろ〉の概念をとおして—』京都大学学術情報,2016
Jeff Hawkins『脳は世界をどう見ているか』早川書房,2022
福岡伸一『生物と無生物のあいだ』講談社現代新書,2007
Schr¨odinger,Erwin『生命とは何か』岩波文庫,1944
山本理顕『権力の空間 空間の権力』講談社選書,2015
西山夘三『これからの住まい』相模書房,1947
『traverse 新建築学研究』は京都大学建築系教室が編集・発行している機関誌です。17年度より紙媒体での出版を止め、web上で記事を発信していく事となりました。
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